院長コラム

帯状疱疹ワクチン

2021年10月27日

患者さまより帯状疱疹ワクチンのご希望がありました。

帯状疱疹は子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが神経に潜んでおり
免疫能が低下した時に再活性化をして痛みを伴った水泡を引き起こす疾患です。
水泡が出る前より痛みが始まるため、何の痛みが分からず消化器内科を受診される事もあります。

症状は3-4週間で引く事が多いですが、2割の方は帯状疱疹後神経痛が残ると言われています。
帯状疱疹後神経痛が残ると場合によっては年単位で続きペインクリニックなどに通われる方もおられます。
帯状疱疹は50歳を越えると発症頻度が上昇し、80歳までにおよび3人に1人が発症すると言われています。
帯状疱疹の発症を予防するにはワクチンが有効ですが現在利用可能なワクチンは2種類あります。
対象はいずれも50歳以上です。

一つが弱毒化した水痘生ワクチンで、こちらはどちらかと言えば安価(自費 8000円)で皮下注射1回のみのワクチンです。
5年間効果が持続し、帯状疱疹の発症率を1/2にし、帯状疱疹後神経痛の発症を1/3に抑えると言われています。
生ワクチンですので免疫能が低下している方は使用できないなど制限がいくつかあります。
もう一つが乾燥組み換え帯状疱疹ワクチンです。
こちらは高価(自費 1回 20000円)で2カ月あけて2回筋肉注射を打つ必要がありますが、
少なくとも9年程度は効果が持続し、帯状疱疹の発症を97%抑制し、帯状疱疹後疼痛の発症は認めなかったとの事です。
免疫能が低下している方でも使用可能です。

接種費用の助成ができる市町村もありますが、現時点では京都市では帯状疱疹ワクチンの接種費用の助成制度はありません。

帯状疱疹後神経痛で苦しまれたある方は、本当に大変なので50歳を越えたら皆帯状疱疹ワクチンを打った方がよいとおっしゃっていました。
どちらをご希望されるかはご本人次第ですが、ご希望があれば対応させて頂きます、電話にてお問合せ下さい。

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